龍玖の家庭教師のI先生と９時に近鉄京都駅で待ち合わせをした。
正倉院展は７５分待ちだった。B君と龍玖、瑞麗さんは１時間くらい鹿と戯れていた。私はぼんやりと考え事を出来たので嬉しかった。
展示物は全部で６４点あった。龍玖は熱心にI先生の話を聞き、メモを取りながら鑑賞していた。目玉のひとつである「螺鈿紫壇琵琶」は貝と琥珀を使った、オリエントの影響を受けた模様のとても細かな装飾が施されていて本当に美しかった。「瑠璃坏」は最前列では見ることが出来なかったので、近くに展示されている写真を観た。鮮やかなコバルト色のガラスと金属が組み合わされたモダンな印象の杯だった。
龍玖に図録を買って欲しい、と懇願されたので、買ってあげるととても喜び、昼食、夕食の時も読みながら食べていた。
出店で昼食の後、東大寺へ向かった。本堂へ入って暫くしてB君は巨大な大仏の存在に気付き、とても驚いていた。そして「柱くぐり」の穴をくぐり抜ける事が出来た時に、周りの人から拍手で迎えられて恐縮していた。
