龍玖も瑞麗さんも学校へは楽しそうに登校している。
瑞麗さんの日本の勉強は、ゆっくりとだが進んでいる。理科と社会は、こちらへ来る前に塾で教えて貰っていたので、今のところ問題はない。国語は補習校が始まったので（もちろんそれだけでは足らないのだけど）宿題と漢字をさせている。算数は参考書つき問題集を使って勉強を始めた。この数日は角度について学んだ。三角定規と分度器を使って問題集を解いていった。瑞麗さん専用の定規セットがあるのだが、プラスティック製なので指紋が残りやすい。文房具をこよなく愛する瑞麗さんは、汚れを見つけた時はすぐにお手入れをしている。
一応単元は終わったが、まだあやふやなのでもう少し続けるつもりである。
龍玖は６月始めにある、運動会で披露するダンスの練習に熱中している。小学生の頃はずっと嫌がっていたのだが、今回はダンスリーダーに立候補し、クラスメイトに指導をしているらしい。少し踊ってくれたが、思ったよりずっと上手だった。
両腕を「糸まきの歌」のようにクルクルさせながら上昇させる振り付けがあった。瑞麗さんがそれを見て「ぐるぐるぐるぐるどっかーん。」と言ってからかっていた。NHKの子供番組に出てくる体操に似ているのである。それを数回指摘され、龍玖は本気で怒っていた。もう私にはどっかーん体操にしか見えなくなってしまったが、そんなこととても言えない。
