夜は過ごしやすくなった。
今年のお盆は日中はそれぞれで過ごしていた。瑞麗さんはLちゃんのお家で楽しいお泊まりをさせてもらっていた。美味しいインド料理店で夕食をご馳走になり、近所にあるサブカルの本屋さんへLちゃんと2人で出かけ、お昼はやはり近くにある個性的なごはん屋さんで瑞麗さんがこの世で一番美味しいと言っているオニギリを頂いた。2人でお化粧をしてビデオで寸劇を撮ったり、手先が器用なLちゃんにクラフトを教えて貰っていた。龍玖はのんびり過ごしたい、と言うことで、友人を呼んで遊んでいた。
14日の午後、龍玖と2人で京都市美術館で開催されているダリ展へ行った。お盆休みということでかなりの盛況だった。ダリの展覧会は始めてだった。とにかく膨大な数の作品が残されているので、どこかしらで目にしているため、もっと見たいと思ったことがなかった。
ダリの14歳の時の作品を見て、龍玖がその上手さに驚愕していた。眉目秀麗でお茶目な表情を浮かべたポートレートや、シュールレアリズム独特の作品のタイトルを気に入っていた。
ダリと言えば溶けた時計が描かれた「記憶の固執」や彼のデザインしたタロットカードしか思い浮かばなかった。今回見た作品は見た事がなかったものばかりだったが、コンポジションがいいな、と思った。
帰りに、龍玖が特に好きだった絵画が印刷された、クリアファイルとキーホルダーを購入した。展覧会へ行って良かった、と喜んでいたので嬉しかった。
*燈花会へ行く
京都市美術館から瑞麗さんを迎えに行った後、京都駅から近鉄の特急に乗り奈良へ燈花会を見に行った。この日が最終日だった。一番上の伯母が夕食を用意してくれていたが、到着するのが遅くなったため、先に見てきなさい、と言われた。
まず猿沢の池へ向かった。大勢ぼ観光客がそちらの方向へ向かっていたので、道に迷わずにたどり着いた。瑞麗さんを3歳の時に連れて行ったのだが、全く覚えていない、と言っていた。池の周りを見学してから興福寺へと歩いて行った。境内を歩き回り、五重塔を見てから猿沢の池へ戻った。一周してからもう時間がないので、伯母の家へ向かった。
やはり道に迷い、心配した伯母が何度も電話をくれていた。到着した時には午後9時を廻っていた。夕食を頂き暫し寛いだ。午後10時8分の電車に間に合う様にお暇をすることにした。マンションの玄関で写真を撮ってから伯母に別れを告げた。
帰りは普通列車に乗った。瑞麗さんと龍玖はとても元気でずっと私を挟んでじゃれ合っていた。