lulu_batailleの日記

日々起こった事、思った事を記していきます。

「かもめ」を観て

午後7時45分頃地下にあるシアターに入ると、既に前解説が始まっていた。
空いている席に座り、周りを見渡した。コンクリートの打ちっ放しの部屋で、舞台の正面だけ高くなっていた。椅子は個々違うものが並べられていた。雰囲気が少しカフェモンタージュに似ていた。
コスチュームを身につけた俳優さんが一人お茶を配りながら、「かもめ」のあらすじを語っていた。他の俳優さんもそれぞれの立ち位置にいて、時々台詞を呟いたり、叫声をあげたりしていた。そのお茶を配っていた人も急に台詞モードになったりするので、ちょっとドキドキしながら聞いていた。
午後8時きっかりに劇が始まった。時々叫んだり、タップを踏んだりされていて、かなり緊張させる場面が多かった。だけど、ストーリーを知っていたので安心して見る事が出来た。どうやるのだろう、と楽しみにしていた、かもめが登場するシーンは、目から鱗の憎らしい演出で「凄い。」と思った。
本当に良く練られていたと思う。

舞台装置もシンプルだが、面白い使い方だった。Yちゃんが私に、地点の舞台を地点の劇場で観ることを勧めた理由がわかったような気がした。終わった後、興奮冷めいらず、足元を見ていなかったために段差を踏み外して派手に転んでしまった。
思っていたよりもずっと良かった。「ワーニャ伯父さん」と「桜の園」も演目にあるそうなので、是非そちらの方も観たいと思う。チエーホフはやっぱり素晴らしい脚本家だ、と感動しながらバスに乗って帰宅した。
しかしながら、チェーホフ以外の脚本の劇は好きになりそうかは自分でも分からない。前解説の人によると、「かもめ」は他の作品に比べて、かなりストーリー性を残しているそうである。あまり観念的な脚本や演出になってしまうと私は入り込めなくなるので、まずチェーホフの他の作品を観てから他の劇にも挑戦してみたい。