ドラクロワ美術館へ行って来た。
デカルト大学のすぐ近くにある。ルーブル美術館の別館という形態を取っている。ドラクロワが晩年を過ごした建物が、後年取り壊そうという意見が持ち上がった時に、当時の文化人たちが尽力し、国立美術館として残す事にしたそうである。
展示されている作品はとても少なかった。随時取り替えているそうである。あまり見るものがないな、と思っていたら、係員の人が国籍を英語で訊ねてきた。日本人だと答えると、日本語で「ここでドラクロワは死にました。彼のアトリエがありますよ。見たかったらそこのドアを出て階段を降りてください。」と教えてくれた。
入ってすぐの空間に、親交が厚かったジョルジュ・サンドの肖像画が展示されていた。アトリエの南側には大きな窓があり、自然光がたくさん入るようになっていた。
アトリエ内にも引き続きジョルジュ・サンドに関する資料の展示がされていた。ドラクロワはショパンとも懇意にしていた時期があり、その頃にジョルジュ・サンドとショパンが親密な関係になったらしい。二月革命の頃だから、革命の熱と相まって栄えた芸術の主流にいた人たちが集った場所なんだな、と思いながら見学した。
2012年に当時の庭園を忠実に再現した、と言われる庭園へ向かった。
冬なので、すっきりとした様子だったが、それでも蕾をつけているバラがあったりして、よく手入れされている様子が伺えた。ドラクロワはこの庭園に強い愛着を持っていたそうである。彼のロマン主義の王道をいく作品もいいと思うけれど、私は花の絵の方が好きである。