ライターのMさんと昼食をご一緒する約束をしていた。
何が食べたいのか、と訊ねられたので、洋食です、と答えた。行ってみたかったレストランを調べてみたら、どこもお休みだった。
タルカで待ち合わせをした。予めFacebookで休業かどうか調べたら何も書かれていなかった。午後1時40分に到着したらお店は閉まっていた。本日は夏季休業と言う事だった。Mさんが近くにある洋食レストランを探し電話を入れてくださった。ラストオーダーまでには間に合う、と言われたので、そちらへ向かった。
とても綺麗な設えのお店だった。ランチセットをオーダーした。
上品な味の料理だった。
食事の後、Mさんがご贔屓にしている甘味処へ行った。普段は空いているそうなのだけど、お盆休み中のせいか席を待つ人が数人いた。10分ほどしてテーブルが次々と空いた。
Mさんはかき氷、私はクリームあんみつを頼んだ。フルーツが沢山入っていて、小豆が上品に煮含められていた。とても美味しかった。
甘味処を出てから街へ向かって歩いていた。レストランへ行く途中で見たアンティークのお店へ行きたい、と申し出て、そちら方面へ歩いて行く途中、アスタルテ書房が近い事に気づき、立ち寄らせて貰う事にした。
夏季休業中かも、と思いながら2階へ上がって行った。ドアがロックされずに置かれていたのを見て安堵した。1年以上ぶりに来店したのだが、店の中は随分スッキリしていた。20代前半と見られる男性が、ビアズレーのフレームされた作品を買って貰おうと交渉していた。遠くから数秒見ただけなので詳しくは分からないが、シンプルなイメージのリトグラフだと思われる。ご主人と彼の会話を聴きながら、暫くハンス・ベルメールのエッチングを虫眼鏡を使いながら拝見させて貰った。
à la poupéeを使ったラインエッチングの作品で、印刷も完璧だしとても良い状態だった。ハンス・ベルメールのエッチングは沢山出回っているので珍しくないのだけど、あんなに印刷が綺麗なのは初めて見た。流石だな、と思いながら本棚を少し眺めてから、Mさんとお暇した。
ビアズレーの版画を売り込んでいた男性の事を、Mさんと色々推理しながら寺町通を北上した。隣に同じ年位の女の子がいたけれど、興味深そうに2人の会話を聞いていた。私たちの見解は、男性はその版画を購入した際、かなり吹っ掛けられたみたいで、ご主人が「相場よりも良い値で買ってあげるから、いくら購入したのか教えて。」と聞かれても恥ずかしかったのか、頑として答えなかった。
一保堂の前に差し掛かった時、お茶を送ろう、と思っていた事を思い出したので、立ち寄らせて貰う事にした。とても日本語を上手に操るヨーロッパ系の外国人男性のセールスの方に応対して貰いお茶を購入した。
Mさんにアンティークショップまで連れて行って頂き、そこでお別れした。
店内にはランプが沢山あった。
そちらを出てから帰途に着いた。