lulu_batailleの日記

日々起こった事、思った事を記していきます。

贈物

昼バッチが終わり、フロントで予約の処理をしていた。

ヨーロッパ系の女性の外国人客がフロントに来られた。病院に行きたい、との事。何処が悪いのですか、と訊ねたら、右手の薬指と小指が痛んで力が入らず、歯磨きもままならない、と仰った。

仕事のし過ぎか、若しくは爪を噛んでいる時に関節を痛めたのかも、と言ってから、あなたも爪を噛むの?と訊いてこられたので、頷いたら笑っておられた。

とにかく抗生物質と痛み止めが欲しい、との事。今から病院を探そう、と思い時計を見たら午前11時45分だった。殆どの大きな病院は正午で終わりなので、明日の朝はどうですか、と訊いた。彼女は明日次の目的地へ向かうらしい。兎に角開いている整形外科を探した。

午後1時まで開いている医院があったので、電話を入れた。お客さんの名前と生年月日、症状を紙に書いてFAXで送って欲しい、と言われた。お客さんに症状を出来るだけ詳しく紙に書いてもらい、急いで訳した。その紙をコピーしてお渡しし、先に整形外科の医院に向かって貰った。

行く前に、一緒に来て貰えないのか、と不安そうに言われたけれど、紙に全部書いてあるので大丈夫、と言ったら安心したみたいだった。

その後私は休憩に入り、お弁当を食べてから少し眠った。休憩が終わり、フロントで仕事をしていると、お客さんが来られた。関節炎という診断を受け、痛み止めの薬を処方されたそうである。私はこれから3週間仕事で日本中を廻らなければいけないので、原因が分かって良かった、と仰っていた。

私に明日はシフトが入っているのか、と訊ねられた。明日は休みです、と答えたら残念そうにされていた。

彼女は部屋に戻り、私はそのままフロントで仕事を続けた。午後4時頃、お客さんがフロントに花束を持ってやって来られた。これはお礼です、と言って私にくださった。私はまだ暫く日本で仕事をしなければならず、本当に不安だったので、あなたがお手伝いをしてくれて助かりました、どうもありがとう、と目に涙を溜めながらお礼を述べられた。

数ヶ月前にもやはり仕事で来られていたアメリカ人の女性がいた。その人は、自分は仕事で一人で日本に来ている、後3ヶ月はアメリカへ戻ることが出来ない。心配でたまらない、と言って泣いておられた。

同じく病院を探し、電話で症状を説明して予約を取った。その人にはそれっきりお会い出来なかったが、長い手紙とお菓子をどっさり持ってきてくださったらしい。私はその後2日間休みだったので、手紙もお菓子も出勤した時には無くなっていた。お菓子はどうでもいいけれど、手紙がなかったのが残念だった。

言葉が通じない国で病気になるのはとても不安だと思う。少しでもお手伝いが出来て良かった。

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