百日紅を読んだ。
杉浦日向子のマンガは以前読もうとしたのだけれど、絵のスタイルが受け付けられず読めなかった。
凄く好きになった。
アニメーションでは主人公の妹が主要な登場人物として描かれている。「野分」での妹との別れの場面が凄い、と思った。どの話も面白いけれど、取り分け「美女」と「野分」が印象に残った。「美女」に出て来る主人公の絵を買ったクライアントの、最後のシーンでの心象に思いを巡らすのが楽しい。購入したばかりの絵を飾り、それを眺めながらお酒を飲むシーンがある。なんでも酒の肴になるんだ、と感心した。自分自身はお酒が飲めないので、そういう感覚は不思議な気がする。良い景色を見ながら食事をしたり、お茶を飲むのとはまた訳が違うのだろう。
「稲妻」に登場する鯉の描写が素晴らしかった。
改めて北斎の絵を見たくなった。