もうすぐ6月が終わる。
龍玖の成績が出た。学年2位の成績だそうである。
一位の男の子が友人らしく、負けず嫌いの龍玖にとって良い競争相手となっているらしい。
とても変わっていて、あまり一般受けしない性格だと言っていた。
後1年同じ調子で行けば志望している大学も視野に入るだろう。
将来の夢も定まったみたいで良かった。
瑞麗さんの中学校生活はちょうど1ヶ月を残すのみとなった。
クラスの友達とは上手く行っている。
彼女のお父さんとの数学の勉強は来月で終えられるみたいである。
職場では毎週火曜日に初級者の子供達に英語を教えている。
火曜日、水曜日が難しい子供達がいる曜日である。
苦労していた子供達が少しずつ上達して来ているのを感じ、嬉しく思っている。
まだ試行錯誤が続くけれど、上手く指導できる様に頑張りたい。
調停の日が決まった。
瑞麗さんがカナダへ旅立つまでには手続きが終わりそうである。
アメリカ人の同僚が私の様子を見て話しかけて来てくれた。あくまで一般論として、同僚の様な態度を取る人に関わるのは、自分自身の精神状態が良くない時はとても辛い、と話した。
「彼女は変わる事を期待する事は出来ない。だけど、こんな事で君が屈するべきではない。僕も以前色々な事があったけれど絶対に負けなかった。何があっても頭を上げているにするんだ。」
目が覚めた様な気がした。そのままを受け入れる事にした。