雨が強く降り始めた。
瑞麗さんの担任の先生から電話があった。
保護者面談に来て欲しい、と言う内容だった。
瑞麗さんが学校のプリントを見せてくれなかったので知りませんでした、必ず行かせていただきます。と言って30日に予約を取った。
何かと連絡事項があるので、先生とはしょっ中話している。
帰宅したらまあまあ機嫌が良い瑞麗さんがいた。
夕食を認めて、一緒に食べた。
プリントを見せてくれなかった事を咎めると、机には置いてあった、と言われた。
今日の授業では、アンジェラアキの「手紙ー拝啓、15歳の君へ」と言う曲にまつわるエピソードについて学んだらしい。動画の中のインタビューで、作者が自分自身の15歳の頃について聞かれた後、言葉が出なくなり暫く泣いていた。それを見て、担任の先生が瑞麗さんに「同じ様な思いをした事がありましたか。」と訊ねた。瑞麗さんは「そんな思いは一切しなかったです。」と答えると、クラスメイトたちが「俺たち、上手くやっているよな。」と言って、みんなで頷いていた、と瑞麗さんが言っていた。
「日本とフランスでは本当に良い友達に出会えて幸運だったね。」と瑞麗さんに言った。
その後、卒業式の話になった。
転出扱いになる瑞麗さんの代わりに、卒業式に出てみんなの写真を撮って送るね、と話した。
瑞麗さんは暫し号泣していた。
卒業式には本当に出たかった、と言っていた。
出来るだけ沢山の写真を撮ろう、と思った。