烏丸三条にある韓国薬膳料理の店「素夢子古茶家」でNさんと昼食を頂いた。前から行きたかったのだが、きっかけがなかった。Nさんがとても気に入っているレストランのひとつらしい。
店の中に入ると都会の雑踏からかけ離れた空間が広がっていた。私もNさんもビビンバを頼んだ。ベジタリアン(多分ヴィガン)のビビンバは初めて食べたけれど、とても上品で美味しかった。一緒について来たスープは冷製でこちらも素晴らしく美味しかった。
この間の菜食中華料理のお礼だと言って、ご馳走してくださった。
Nさんは地震の後、フランスの親日家(フランス語でJapanophileというらしい)がよく集まりを設けていて、「無常」について語らっている、と話してくれた。そのことについてどう思うか、と訊ねられたので、あまり地震の直接的な影響のないフランスで語られるのは良い事だと思うけれど、今は日本でその観点で今起こっていることを考えるのは果たして正しいことなのか私には分からない、と答えた。
でも後でそれは決して悪いことではないんだ、と考え直した。私は「無常」という概念を取り違えていたようだ…。
食事の後「けいぶんしゃ」へ行った。Nさんはショーケースに入っている活版印刷の本を観たいというので、お店の人に頼み出してもらった。それはフランスの詩人(名前は忘れてしまった)の詩と日本の版画家のエッチングの作品集だった。
彼女は活版印刷とエッチング(基本的に原理は同じ)を組み合わせた作品の制作を考えていて、私に興味はないか、と訊いてくれた。私は「もちろん興味があります。今やり始めている作品がうまくいけば是非やりたいです。」と答えた。
俄然やる気が出て来た。