I先生が自分の大学の助教授として採用されたので、龍玖の家庭教師を続けることが出来なくなった。同じくギリシャ哲学の博士課程を専攻している彼の後輩が、後を引き継いでくれるらしい。I先生はとても龍玖の事を可愛がってくれているので、とても寂しい、と言っておられた。採用が決まってすぐ龍玖の顔が浮かんだそうだ。龍玖はI先生からその事を聞き、悲しそうにしていた。３月に数回新しい先生と一緒に授業をしてもらえるそうだ。もちろん京都にずっといる事になるので、時々遊びに来る、とおっしゃっていた。
こういう事は突然決まるものだな、と思った。
