lulu_batailleの日記

日々起こった事、思った事を記していきます。

Giorgio Morandi Exposition

道に迷いに迷ってようやくベルギー王立近代美術館にたどり着いた。午後1時になっていたので、瑞麗さんがカフェに入ろう、と言った。値段を見るととても高かったので外にあるカフェで食べることにした。ハムサンドとサーモンスパゲティーを注文した。ハムサンドは限りなく薄いハムが一枚とレタスとトマトがたっぷり入っていた。30分くらいしてスパゲティーは出来ない、と言われ、なぜかパニーニになった。瑞麗さんは喜んで食べていたのでホッとした。

万を期して美術館へ入った。マグリット美術館とは違い、中は閑散としていた。チケット売り場で広告で見た「Family Kit」なるものについて尋ねた。美術館で退屈するであろう子ども達のために、色鉛筆やシール、紙製の筒、箱、プラスティックの漏斗、モランディが使ったオブジェのようなプラスティック製の物体を詰めた袋を10ユーロで買い与え、中で自由に絵を描かせることが出来る、という企画だそうである。瑞麗さんは喜ぶだろう、と思い購入することにした。
モランディの展覧会場へ行くと、警備員の人が来て「Family Kit」専用の入り口へ連れて行ってくれた。展覧室の中は静かだった。最初は彼の風景画が展示されていた。モランディの初期の作品は彼自身が破棄したためあまり残っていない。その数少ない作品があることによって、彼の作風の変化を見ることが出来るので、とても貴重な資料となっている。彼の風景画で使われている色調は静物画のそれと同じで、彼の色遣いは既に確立されていたように見受けられた。

モランディはエッチングを学校で教えていた。私がとりわけ好きだったのは、かなりの時間をかけたと思われる、さまざま形状や材質の異なるオブジェが描かれたエッチングだった。2つのことなるステージ(一つは8th State、もうひとつはサインがマウンティングで隠れて見えなかった)のプリントが並べて展示されていた。非常に綿密な線描画で、遠目に見ても美しい作品だった。特にガラスの瓶の描画が素晴らしかった。瑞麗さんは夢中でモランディの絵を模写していた。おかげで私はゆっくり時間をかけて鑑賞することが出来た。

展覧会の最後は「花」の絵のシリーズだった。主にバラが描かれていた。友人や妹たちの誕生日プレゼントとして贈ったらしい。それらの花は柔らかな色で描かれていた。中には枯れかかったバラの絵もあった。それも美しい絵だった。エッチングでも花瓶に生けられたバラの作品があった。

会場のいたるところに画集がさりげなく置いてあった。ミュージアムショップは売り上げが良くないので閉まってしまったそうで、チケット売り場でひっそりと展覧会の目録の画集は売られていた。英語版を購入出来たので嬉しかった。売れないと思ったのかポストカードは作っていないそうである。瑞麗さんは自分の描いた絵のポストカードを買うんだ、と張り切っていたのでがっかりしていた。