アパートメントに戻り、中華料理のテイクアウトを買いにSt. Paulへ行った。帰ってきたら既に８時過ぎていた。必死で食事を済ませて外へ出た。タクシーを拾い「Saint Germain des Prés」へ向かった。コンサートの始まる１０分前に教会へ到着したのでホッとした。並べられた席は殆ど埋まっていた。午後８時４５分になり、サンルイ島オーケストラ団演奏によるEdvard Griegの Holberg Suite, Op. 40を聴いた。演奏が終わり、暫くするとコーラス隊の人たちが続々と入って来た。そしてメインの声楽家の４人と指揮者が定位置に着いた。
それから１時間その素晴らしい演奏を聴いた。瑞麗さんはすぐに飽きてiPhoneをいじったり、眠ってみたり、しまいには泣き出してしまったが、なんとか最後まで聴かせてくれた。
コンサートが終わり、声を上げて泣いている瑞麗さんをブリブリが抱きながらタクシーを拾い乗り込んだ。日本語と英語で泣いていた瑞麗さんだったが、降りる５分前にすっかり機嫌は直った。タクシーを降りる時「おつりは２ユーロだけでいいですよ、ありがとう。」とフランス語で運転手さんに言ったら、思い切り驚かれた。
コンサートは想像していたよりも本格的で、声が教会内を響き渡り耳に心地よかった。教会でレクイエムを聴けるなんて、本当に幸せだと思った。
