lulu_batailleの日記

日々起こった事、思った事を記していきます。

読書

先日行った古本屋さんで購入した本を読み始めた。

ドゥルーズの話はよくYちゃんから聞いていた。彼女が苦しい時に読んでいたのが、ご主人のMさんの親しい友人が翻訳したドゥルーズの本だった。古本屋さんのご主人も絶賛されていたので、軽い気持ちでお薦めの本を購入したのだった。

Yちゃんが話していた通り、読みやすく書かれているので頭に言葉が定着して行くのが分かる。著書の後半にある絵画論を先に読んでいるのだが、「絵画の裏切り」というブルトンの「絵画論」に対する批評がとても面白い。「視線を見る?」はジャコメッティの作品についての批評である。ジャコメッティの事はMCAD時代に取った美学の授業で知った。必須科目で仕方なく取った授業だった。先生は立体の造形作家だったせいか、同じく立体で名前が知られていた作家をよく引き合いに出していた。特にジャコメッティの名前が頻繁に出てきたのを覚えているのだが、彼の作品の何が重要なのか理解出来ないまま、学期は終わってしまった。

ジャコメッティについてネットで調べた時に、彼のモデルをしていた日本人の哲学者が、モデルになった時の事を回想して書かれた文章を見つけた。制作をしていたジャコメッティが「前と後ろを同時に見る事が出来れば良いのに。」と呟いたというエピソードが描かれていた。この言葉が彼の主題について端的に語っているような気がした。