RERに乗りGare du Nordで降りた。バスの停留所が、あまり雰囲気が良くない場所だった。バスが来た時には少し安堵した。近くの大通りに出ると店のサインの明るさに驚かされた。名前に「Nord」が入ったカフェやレンスランがたくさん立ち並んでいた。
降りたバス停はRさんたちのアパートメントのすぐ近くだった。Rさんが心配して表で待っていてくれた。公共の交通機関を使ったので遅なってしまった、と説明した。
Kさんが淹れてくれた日本茶を飲みながら、経過を教えてくれた。脳梗塞が起こった明くる日、Rさんは、私が送付した龍玖のiPhoneが入った箱を例の方へ渡すため、会うついでに昼食を摂ることになった。あまり会話がはずまないので、変だな、と思っていたらしい。テーブルに着いて、例の方がオリーブオイルをたっぷりと水の入ったコップにいれ、Rさんに奨めたのを見て、「これはヤバい。」と思ったそうである。それからすぐに救急車を呼んだ、とRさんが言っていた。彼に合わずに龍玖と瑞麗さんとだけ過ごしていたら、発覚はもっと遅れていただろう。
iPhoneを龍玖が忘れていったおかげで、早めに発見できて良かったね、とKさんが言っていた。
Uberを使って、今滞在している１６区のアパートメントへ帰ってきた。建物の前の広場で、若いお兄さんたちが円を作って座り込みマリファナを吸っていた。家に入り荷物を置いて、片付けもせずにベッドに入り眠った。
