7日の事である。
Hôtel de Villeに用事があったので、バスに乗ったのだが、Concordeまでしか行かなかった。次のバスが来るのは20分後と表示されていた。用事は違う日に済ます事にして、オランジェリー美術館へ行く事にした。
月曜日で雨が降っていたせいか、待たずに中へ入る事が出来た。奥の部屋へ真っ直ぐ向かった。外は重い雲が空を覆っていたので、前回よりもずっと部屋の中は暗かった。どの絵も薄いピンクの靄がかかっている様だった。
睡蓮の部屋は楕円形になっており、それに沿って絵もカーブを成している。前方と後方の絵は特にそうである。天窓も部屋と同じ楕円形になっているけれど、後方が明らかに暗い。
ベンチも部屋に合わせてアーモンドの形になっている。珍しく前方の席が空いていたので、そこに座った。前方に飾ってある絵をずっと眺めていた。暫くすると靄の合間から水面が覗いているような印象になり、浮かんでいる睡蓮の花も少し鮮明に見えてきた。どれだけ色を重ねたらこんなに奥行きが出るのだろう、と思った。