lulu_batailleの日記

日々起こった事、思った事を記していきます。

Captured (Barely)

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オランジェリー美術館へは20回位訪れた。パリにいる間、自分のための記録として「睡蓮」を写真として収める事が出来るだろうか、と考えていた。全体を捉える事は勿論不可能なので、せめて断片だけでも写真に残し、持ち続けられないかと思い、アングルを変えて撮っていった。ほんの一部だけど、自分の持つ睡蓮の印象に近い写真が撮れた。

昨日庭師さんが来て、庭の草抜きと無駄な枝を落として行かれた。帰国する直前、雑誌の出版社に送付するために写真を送って欲しい、と頼まれていたのだが、まだしていなかった。庭師さんも自ら全体の写真を撮っておられたが、彼も植物の写真は苦手、とおっしゃっていた。

庭師さん一家は先月京都へ引っ越して来られたばかりである。彼の自宅がある岩倉からここまで15分で来れるそうである。庭師さんが手前に植えているススキ数種を整えている間、私もデッキに座り込んで話をした。

庭師はあまり自分のエゴを投影してはいけない、という事をおっしゃっていた。庭へは新たに植物を植えたり、と自分で手を加えていく人が多く、仕事を終えられてからも年に一度、剪定を頼まれたらいい方らしい。私の母は自分の庭にかなりの種類の植物を植えているので、よく株分けをしようとしてくれるけれど、私は庭師さんに全面的にお任せしているので、調和を乱したくないからいつも断っている。ここの庭は家と私の作品を踏まえて作って貰ったのだから、私は何も手を加えたくないのである。

今年度から京都大学勤務になられた建築士さんの話になった。7年前ここの設計をお願いして以来、目覚ましい活躍をされている。庭師さんは建築士さんの事をとても尊敬しておられる。「よく彼をネットで見つけ出しましたね。今思えば青田買いですよね。」とおっしゃっていた。先日パソコンに入っているドキュメントの整理をしていた時、建築士さんから頂いた、家の資料を見つけたので読んだ。本当に詳細にいたるまでよく調べられていて、時間と手間をかけてくださっていたんだな、と感動した、という話をした。

こちらへ戻る直前にGivernyへ行った事を話した。開園するにあたって、あまりまだ花をつけている木が少ないため、やっつけで花が庭中に植えられていたのだが、その中にパンジーが大きな部分を占めていて、かなりがっかりしたのだった。庭師さんもパンジーが嫌いだそうで、なんか想像がつきます、と笑っておられた。パンジーの原花である三色スミレはお好きだそうで、それに纏わる話をしてくれた。それについてはまた次の機会に話そうと思う。

庭師さんが帰られてから庭の写真を撮った。やっぱり上手く撮れなかった。

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