今回の金継ぎクラスでは金粉の代わりに真鍮粉を使っていた。
2つの色合いは似ているけれど、真鍮の方が赤と青味が強い。
私の直した規格外Limogesのお皿の、金の絵柄の色が同系統だったので
丁度良かった。
新うるしは茶色をしているから、茶色っぽい金色になる。
本来の金継ぎには朱漆を使う、と金継ぎの手引きで読んだ事がある。
そうすると金粉の色が映えるからだそうである。
確かに金継ぎが施された漆の器の金の色は鮮やかで綺麗である。
私の家の和室に続く本銅染の襖は、予め墨で染められている。
銅粉を直接和紙にのせると、紙の色が透けてピンクになってしまうから、
とかみ添のご主人がおっしゃっていた。
私のHans Bellmerの版画の紙は、漂白されていない版画用紙である。
恐らくHahnemühle Ingres PaperのGrey Greenだろう、と思われる。
白い紙に印刷された作品も見たが、断然こちらの方が良い。
Yちゃんに作品の写真を送ったら、紙の質感について触れていた。
ヨーロッパの作家が漂白された紙を使わない理由を、
この作品を毎日眺める事によって体現している。