昨晩から同じお香を数回焚いている。
今日も強い雨が降っていて、閉め切った古い家に篭った水の匂いが気になってしまうからである。
だけど良い加減で止めないと、家の中に花が消えると寂しくなるのと同じで、香りが無くなると物足りなくなってしまう。
桐の箪笥の匂いはかなり苦手である。
着付けで使っている着物と帯は、箪笥から出しているので匂いが無くなって
いるので気持ち良く身に着けることが出来る。
午前の着付けのクラスへ行こうとしたら、物凄い勢いで雨が降り始めた。どうやっても着物が濡れてしまいそうなので、午後のクラスへ行くことにした。
瑞麗さんは10日にある、提灯行列のお稽古の為に八坂神社へ行っている。
「10日はお休みを取ったよ。」
と瑞麗さんに言ったら、
「え、来るの?」
と驚かれた。支度の手伝いや、行列中の水分補給、そして帰りは午後10時近くになるので、付き添いは必須なのである。
かなり疲弊するけれど、子どもたちが舞妓さんと同じお化粧をして、着物を身につけていく行程はとても雅びやかなので好きである。そして配られる美味しい鰻弁当も楽しみなので参加するのは吝かではない。
瑞麗のいる大きい組はかなり深刻な人材不足だそうである。出演出来るのは後2回なので楽しんで欲しいと思う。