先週の日曜日に母の誕生日会があった。
両親が暮らしているマンションの別棟にはミュシャ館と言う美術館がある。
大した作品は置いていないだろう、と思い足を運んだ事はなかった。
姪が一度行ってみたい、と前回の集まりで言っていたのを聞いて、「一緒に行きませんか。」と弟を介して誘った。
承諾を得て、では誕生日会の時に行きましょう、と言う事になった。
タイミングの良い時を選んでミュシャ館へ向かった。
2階の入り口を入って直ぐの所で入館料を払い、4階へ上がった。
ミュシャは4連作の作品が多いのだが、4階に展示されていた作品は殆どがそうだった。それらの多くは宣伝用ポスターだったのにも関わらず、とても状態の良い作品ばかりだった。工房に保存していたエディションだったかもしれない。
大ぶりのものは少なかったが、素晴らしい作品ばかりだった。美術館の歴史を読んでいると、コレクターがミュシャの息子さんと交流を持ち、共同でミュシャの作品を蒐集したそうである。80年代前半にそれらの作品を大きな展覧会を打ち出してお披露目したのである。それを見た人がフライヤーを私の通っていた高校の掃除用具ロッカーに貼った。それが私が版画を選ぶきっかけになった事になったのだった。
出会えて良かった。
最初に好きになった作家はやっぱり今も好きである。
姪とミュシャの作品の主だった製法である、リトグラフの説明をした。
彼女はまだ中学生なので将来どの方向へ行くかは分からないけれど、芸術に携わりたいと思っている、との事だった。またアートについて話をする機会があればいいな、と思っている。