瑞麗さんの友人Hちゃんのお父さんであるBさんは、仕事は文化比較研究であるが、建築士でもある。友人と共同で町家を購入し、改修をして外国人旅行者に貸している。町家については本当によく研究されている。彼は私たちの家に来る度、じっくり眺めては質問を投げられる。前回は板を張り合わせた壁についてだった。何を塗ったのかと訊ねられたので、「柿渋です。費用を抑えるために、建築士さんの提案で、建築士さんとヒショさん、ジョシュさん、妹、私で塗りました。」家人は口は出すけれど、手は出さないので手伝いませんでした、とは言わなかった。
この家の事をとても気に入っておられるようで、いつも褒めてくれる。私もそうだが、家人もそれがとても嬉しそうである。
