「河童が覗いたインド」を出かける直前に本棚から取り出し鞄へ入れて持って行った。ハイデラバードの記事が載っていたのを思い出したからである。
龍玖も興味を持ってみていたので、ハイデラバードの部分を見せたら熱心に読んでいた。そしてチャルミナールへ行った際には「ここが本に載っていた場所だ。」と言って写真を撮っていた。
見るものすべてが興味深く、写真を撮りまくりたかったが、現地の人をやたら写すのは失礼にあたるのではないか、と思いあまり出来なかった。
スワティさん宅は市内でも有数の高級住宅街にある。ハイデラバード滞在３日目、彼女の家で行われていたヘナパーティーへ参加するためにお迎えの車に乗った。その住宅街のすぐそばにスラムがあった。日本のホームレスの人々がつくるテントよりもずっと粗末な材料で作られていて、今にもこわれそうだった。おそらく１００戸くらいあったのではないか、と思う。ハイデラバードとその周辺でスラムを見たのはこの時だけだった。
結婚式に参加した人たちとそのスラムの事が話に出た。そのうちの一人はハイデラバードへ来る際に乗り換えたムンバイ空港周辺のスラムのことを話していた。何マイルにも及ぶスラム街が続いていて、着陸のため低空飛行する飛行機からそこに暮らす人々の生活ぶりがはっきり見え、落ち込んでしまったらしい。
