ブリブリがチョコレートをくれた。龍玖がめざとく見つけ、口にいれそうになり急いで止めた。寝る前だったので、明日あげると約束し納得してもらった。
龍玖は朝9時に歯医者へ行った。気付かないうちに歯と歯の間から虫歯になっていたのを治療したのである。１本は進行しており、銀歯をかぶせられてしまった。奥歯だが笑うとはっきりと見える。虫歯があると医者から聞いたときはかなりショックを受けた。毎日欠かさず歯磨きをしていたので、信じられなかったのである。しかし龍玖のように歯の間の詰まった子供は虫歯になりやすいらしく、フロスを使うべきだったことを教えられた。乳歯は通常小さいので使わなくても大丈夫だろうと油断していた。永久歯ではないのがせめてもの救いだ。龍玖はかなり痛がり、泣き叫んだようである。本当に申し訳ないことをしてしまった。今は電気歯ブラシとフロスで毎日歯磨きをしている。瑞麗も毎日している。２人とも嫌がらないので有り難い。
ブリブリは今晩恒例のピンポンレッスンへ行った。キッチンで座っていると電話が鳴り、出ると相手が広東語で話しかけてきた。えらく驚いたが、すぐブリブリのピンポンの老師（先生のこと）と分かった。ブリブリが彼女の横に座り一部始終聞いていたそうだ。電話を切ってから先生に私の広東語の理解力は？と尋ねたら、「あんまりだねー。」と答えたらしい。なんでもはっきり言う人である。広東語では形容詞を使う時「とても」に当たる言葉を殆ど必ずつける。そんなに寒くなくても「すごく寒い」、たいして美人じゃない人でも「すごい美人」と大げさに表現するらしい。広東語以外の中国語でもそうなのだろうか。
瑞麗はよたよたとだが１６歩ほど歩いた。どんどん立っている時間が長くなっている。うれしいけれどやっぱり寂しい。しっかり彼女のハイハイ姿を目に焼付けておこうと思う。
