８時前にそれは起こった。
キッチンで弁当の用意をしていたら、「うぇーん。」という泣き声が聞こえて来た。何事かと声をする方を見に行くと、墨汁が畳やら龍玖のナップザックの上にかかっていた。彼が学校へ行こうとして、畳の上に置いてあった習字セットを持ち上げたら、蓋がきっちり閉められていなかったボトルから、墨汁が漏れ出していたらしい。泣きわめく龍玖以外の３人で必死に片付けをした。
「習字セットと宿題がめちゃくちゃだ。学校に行けない、どうしよう。」と言って泣き続ける龍玖に「自分で先生に電話して事の顛末を説明しなさい。」と言った。学校に電話をしたら先生は席を外していて、５分してから折り返し電話を下さった。電話を切った龍玖が「学校の習字セットを貸してくれるって♪」と言って、鼻歌を歌いながら、汚れなかったものを持って学校へ行った。習字セットと彼の宿題も墨にまみれていたので、拭けるだけ拭き取って後はデッキに乾かすために置いた。汚れたものは全て捨てずにすみそうだが、畳の方は大きな染みが出来たので、取り替えなければならない。
龍玖に泣かれたのには参った。精神年齢低すぎだ。もう少し男らしい対応が出来るようになって欲しい。
