lulu_batailleの日記

日々起こった事、思った事を記していきます。

主観を排除する

そんなこと出来るわけないのだけど。
昨日の座談会で、モニュメントの実例として、ベルリンのホロコースト記念碑が挙げられていた。
起伏のある細かい石畳が敷き詰められ、コンクリートの立方体の合間を歩き回る。進むごとに自分の中で空間の捉え方が変わっていくのが分かる。
この記念碑はベルリンにある4つのジェノサイドの記念碑のひとつである。脱構造主義の建築家が設計したのだが、当初はRichard Serraがプロジェクトに関わっていた。結局彼はそのプロジェクトからは降りることになったのだが、アメリカ合衆国ホロコースト記念博物館や、ベルリン・フィルハーモニーに、ナチスドイツによるジェノサイドの記念碑となる作品が展示されている。
彼が抜けることによって、デザインが変化したのかは分からないけれど、彼の作品の重要な要素である「鉄」が見当たらないし、「個」を感じさせない建築物になったのは良かったのではないか、と思う。