lulu_batailleの日記

日々起こった事、思った事を記していきます。

ターナーを観る

ゴッホ展を行くつもりで、同僚の人と金曜日の終業後約束をしていた。

金曜日の朝、予め場所を確かめておこう、とウェブサイトを開いたら、4日で終わっていた。物凄く落ち込みながら職場へ行き、引き継ぎの後、同僚にお詫びした。何か他に観たいものはないか、と訊ねられたので、ターナーを観たい、と言ったら、じゃあ観に行きましょう、と言ってくれた。

職場から歩いて文化博物館へ向かった。会場は思ったよりも空いていた。ターナーの油絵はTate Britainのターナーのギャラリーで沢山観ていたが、水彩画は初めて観た。王立アカデミーに出品したという17歳の時に描かれた水彩画が凄まじく美しかった。いくつかの作品は油絵の様に絵の具を厚く塗り重ねて描かれていた。私も水彩画を描く時は、その手法で描いている。

私が好きなターナーの絵は、後期の抽象的な作品である。空気を描いたその絵はTate Britainで展示されていた。数週間ごとに展示が変わるので、その絵を観る事が出来たのは2回だけだった。

ターナーは銅版画を数多く制作している。と言っても彼は描画のみで、彫師によって版が制作されていた。エッチングを挿入画とした本を制作していたが、銅ではなく鋼版を使用して繊細な線が出なかったため、その本の出版を禁じたそうである。だけど、ターナーの没後、その本は版元によって出版されてしまった。作家の不本意の作品を出版するなんて誠意がない、と私は思っている。

銅版画の数が多すぎて、すぐ観る気が失せてしまった。水彩画だけでも充分だったと思う。ポストカードを購入したい、と思い、ショップを覘いたけれど、印刷が悪すぎ他ので何も買わなかった。

ターナー展へは行くつもりがなかったけれど、成り行きでも観る事が出来て良かったと思う。