龍玖は友達のH君宅に夕食＋送り火鑑賞に招かれた。家人はオフィスを間借りさせて貰っていた友人のKさんと奥さんのTさんの誕生日の夕食会に行った。予定のない瑞麗さんと私は何処で送り火を見ようか、と悩んでしまった。
LちゃんママのYさんに、Lちゃん一家は何処で鑑賞するのか訊ねてみた。毎年違うそうだが、今年は友人の作家さんが展覧会をしているギャラリーが入っている、建物屋上で鑑賞する、とのこと。私たちが何処に行けば良いか迷っている、と話したら、誘って貰えたので、お言葉に甘えて御相伴に与ることにした。
午後７時１０分に神楽岡にあるギャラリーに着いた。Yさんの友人であることを作家のOさんに伝えた。Lちゃん一家が来訪し、瑞麗さんは喜びいっぱいでLちゃんと遊び始めた。
７時５０分頃、招待客の目印となるリボンのたすきをつけて屋上へ上がった。８時に点火され、大文字の「大」が夜空に浮かび上がった。
暑さは和らぎ、小雨が降った時もあったがすぐに止んだ。なんて優雅な風習だろう、と思いながら、美しい灯を眺めていた。
約２５分くらいで火は消えていった。完全に消える前に下へ降りた。ギャラリーで暫く休憩してからお暇をした。瑞麗さんは自由奔放に走り回り、作家のOさんを振り回してしまい、多大なる迷惑をおかけしてしまった。
本当に楽しい送り火だった。
