龍玖が京都に帰郷中「白虎野の娘」を繰り返し聴いていた。
お陰で私も好きになってしまい、ついにはカラオケでも歌う様になった。
「白虎野の娘」はアニメーション「パプリカ」の主題歌である。
スクリーンを見て「おかしな歌詞だな。」と思っていた。
「パプリカ」自体が不思議な話なので、主題歌もそうなのは仕方ないだろう。
歌詞に「海沿いに見知らぬ炎を躍らせた」「マントルが饒舌に火を吹き上げてー」と言う箇所がある。
Wikipediaの記事を読み、漸くその意味を理解した。
「白虎野」とはベトナムにある海底油田の名称だそうである。
「白虎野の娘」はその海底油田について書かれた曲だった。
その様なテーマの歌は初めてなので、とても新鮮に感じた。
小学3年生の女の子と年長の男の子である。
お姉さんは黒くて真っ直ぐな、長い髪を束ねている。
この曲を聴くと、この姉弟、特にお姉さんのことを思い浮かべるのである。
お父さんはガンの研究をしている。
日本語も英語も流暢に話しておられるのを聞いたことがある。
その姉弟は本当に頭が良い。
特にお姉さんの方はほぼ満点で英検5級を合格した。
家でもDuolingoとオンラインの個人レッスンを受けている。
2人とも日本で生まれ育ったので、日本語が第一言語である。
家では日本語を使っているそうだけど、オンラインでベトナム語のレッスンも受けている。
お姉さんも弟くんも、時々、授業の合間にベトナム語を教えてくれる。ベトナム語はtonalで発音がとても難しいので「出来ないよ。」と言いながら素直に教えて貰っている。
今日、お父さんが来られ、もっと会話に特化したレッスンを受けさせたいので、9月いっぱいで退会させるつもりだ、と言われた。弟くんも一緒に退会するみたいである。
2人とも教室の開校当初から通ってくれている。良い子たちだし、2人ともチャーミングな子達である。ずっといてくれれば良いな、と思っていた。
とても残念である。
私はきっとこれからもこの曲を聴く度、あの姉弟を思うのだろう。