私は特に自然に興味があるわけではない。
日々の生活に追われ、庭の存在すらも忘れる。
毎日お風呂へ行く時に視界に入るはずなのに、である。
雨が降っている日は、必ず思い出し庭に出てその色と香りを愛でる。
そして雨音に耳を澄ます。
前回、庭師さんが来た日は午後から雨が降る予報が出ていた。
庭師さんは風や光の差し加減で、天気と時間を読み取っているそうである。
家の庭は樹木が覆い被さる様に植えられているので、光と風が通りにくくなっている。
「少し読み取るのが遅くなってしまいました。急がないといけません。」
と言ってコンクリートを敷いたばかりの箇所を覆っておられた。
犬は無理そうだけど、猫だったら家の庭を好きになってくれそうな気がする。
何か色がある植物を植えたらどうか、と提案を受けたので、
紫陽花を植えたい、と申し出た。
緑と紫が混同した種が良い、とリクエストした。
庭師さんが探してくれるそうである。
かなり嬉しい。