家人がSFへ旅立った。１２月７日に帰国する。当日は瑞麗さんの学校のクリスマスパーティーへ、空港から直行することになっている。一昨年、去年と１２月初めはSFにいたため、パーティーに参加出来なかった。なんとか頑張って来て欲しい。
早速龍玖が学校から帰宅早々ぶちぶちと文句を言ってきた。PS3のゲーム機が使用禁止になっているためである。少しでもやらせてくれと、くどいほど言われた。せめて「YouTubeを見せてほしい。」と言う事で、４時まで見ていい事にした。何度も念を押したのに、４時になっても止めないので怒ったら「あれ４時１０分までじゃなかったけ。」と抜かしたので、「次に約束を破ったら私も約束を守らない。」と伝えた。
私がいない間にこっそりゲームをするのが眼に見えているので、コントローラーを隠した。すると、ものすごく機嫌が悪くなった。怒りながら宿題をやり、ギターレッスンに行くため家を出る寸前に、入れ替わりで帰って来た瑞麗さんを殴って泣かせた。私は「対価を払わずに逆ギレをするな。」とキレながら自転車のペダルを漕いだ。
レッスンが始まり、龍玖は沈んだ顔をしながらギターを弾いていた。先生に「どうしたの。」と訊ねられ、さすがに「ゲームが出来ないからすねているんです。」と言えないのだろう、彼は下を向いて黙っていた。
しかし、なぜか帰る頃には機嫌が直っていた。家に帰り夕食を摂り、瑞麗さんは８時半、龍玖は１０時に２階へ上がるように、と言った。瑞麗さんは時間きっかりに上がったが、龍玖は１０時までYouTubeを観ていた。１０時過ぎて「今からお風呂♪」と言ってニコニコしていたので「あなたとの約束をひとつ破ります。」と宣言し、それから寝るまで言葉を交わさなかった。龍玖は明るく振る舞い、「おやすみなさい。」と言って部屋へ入っていった。
