ここの冷蔵庫は結構古そうでモーターの音が大きい。だけど特に眠りを妨げる程ではない。一人で眠りにつくのが嫌な瑞麗さんとベッドに入り、少し眠ってまた夜中に起きる習慣がついてしまった。２人だけだとつい、懇願されると言う事を訊いてしまっている。
「マタイ受難曲」を聴いている。ドイツの合唱楽団のライブで、テンポが随分ゆっくりだな、と思うが、ライブの臨場感があって気持ち良い。昨日近所のL’église Saint-Louis-en-l’Île（サン・ルイ島教会）へ行ってみた。夕方からコンサートがあるということで、予行演習をしていた。瑞麗さんと暫く野間聞き入っていた。男女混成合唱だったのだが、高音になると声の響きが凄まじかった。心臓を掴まれてしまうような高揚感があり、恐いほどだった。音に体中が包み込まれる感覚というのを初めて味わった。
洗濯物入れにあった最後の洗濯物を片した。干せるスペースが限られているため、４回に分けてした。上の方はシーツやタオル、Rさんのものだったが、底の方にTさんの服もあった。全部洗濯して畳んでクローゼットに仕舞った。Rさんは９月までサンフランシスコにいる予定だったが、今週パリに戻ってくるらしい。私たちがいる間は、アメリカに帰国中で留守にしている友人宅で過ごすので大丈夫、と言われた。交際している女性のアメリカへの渡航ビザが降りなかったため、こちらで過ごすことになったとのこと。ブリブリが明日パリに来るので、２人で新しいプロジェクトに取り込む事になったそうである。
Rさんに付き合っている人がいると聞き、正直なところホッとした。去年滞在した時には置いてなかった、夥しい量の薬の箱があらゆる本棚に置かれている。彼がここで過ごすのは苦しいだろうと思った。
