lulu_batailleの日記

日々起こった事、思った事を記していきます。

後1時間

次のフライトまでの待ち時間が、3時間半なので、のんびりしている。朝早く出なければ行けなかったけれど、乗り継ぎで時間があるのはいいな、と初めて思った。

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オランダ人は英語を話す時、すごく楽しそうである。私たちは世界共通語の英語をこんなに流暢に話します、というような自信に溢れている。飛行機の中で、非常口の近くに座っている乗客に、冗談を交えながら英語で説明をしていた。空港では、売店のお兄さんが各お客さんに同じジョークを繰り返し言っていた。みんな楽しそうである。隣に座る女性は「コンドルは飛んで行く」を大きな音量で聞いている。

もうすぐ搭乗が始まる。

 

帰国当日

余裕をやっぱり持てない出発だった。

スクーターと食料品をYさんのアパートメントへ届けに行った。日本茶をご馳走になりながら、この3ヶ月の事を話した。もっとアートの話をしたかったけれど、時間がなかった。夏にご実家のある京都へ一時帰国されるので、その時に会いましょうと言ってお暇した。

帰ると既に午後11時を過ぎていた。相変わらず寝過ごすのが恐く、何度も起きてしまった。朝すごい量のゴミを遠いゴミ捨て場まで持って行った。

UBERに乗り空港バス停へ行った。スケジュールが古かったのと、場所が少しずれていたので、1本バスを逃した。でも空が丁度綺麗な時刻だったのでまあいいか、と思った。

次はアムステルダムで。

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資料を待ち構えている

映画、舞台の図書室で資料を一つ頼んだ。退室は出来たけれど、IDカードを返して貰えなかった。午後4時半に資料が届くので、それまで渡り廊下で時間をやり過ごしている。

地上階の図書室で本が6冊待っている。午後6時に閉まるので、出来るだけ早く戻りたい。

The last visit to the Orangerie

Givernyを訪れた後だとまた違う印象を受ける。

あまり好きでは無かった作品を改めて見てみた。以前は描きなぐっていたようにしか見え無かったのに、今は風景が見えた。最初の部屋は庭園を目の前にして描いたという印象があるが、奥の部屋はどう見ても心象を描いたように思える。どちらも好きだけれど、奥の部屋はなんだか吸い込まれてしまいそうな気持ちになる。

最終日

Sadeの「Juliette」の挿絵である。エッチングのコレクションの大部分はネットでも閲覧出来る様になっている。

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結局荷物を少し送る事にした。

昨日ライターのMさんに教えて貰ったプリペイドの箱を購入した。これで大丈夫と思われる。もう少しリサーチをして、荷物を詰めて箱を郵便局へ持って行く。もし時間があれば、図書館へ向かう前に午前9時から開館するオランジェリーへ立ち寄りたい、と思っている。もう一度だけ睡蓮を見たい。

午後9時過ぎに、アーティストのYさん宅へ食料品と龍玖が置いていったスクーターを持って行く約束をしている。明日は午前10時半のフライトである。

Yちゃんは日曜日に物件を見ることになっているため、月曜日に実家へ行く事にしたらしい。家に帰ったら会えるので楽しみにしている。

今日も長い1日になりそう。

Dürerを観る

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瑞麗さんたちは朝無事に日本へ旅立っていった。

思った通り荷造りに手間取った。瑞麗さんの専用枕やうさぎとくまのぬいぐるみはここで使っていた買い物バッグに入れ、手荷物として持たせる事にした。2人の荷物を運ぶのを手伝い、見送ってからアパートメントへ戻った。

お昼用にサンドウィッチを作り、出かける用意をした。図書館に到着した時には午前11時半を回っていた。明日の予約を入れてから会計へ行き、5ユーロ支払った。それから荷物をロッカーへ仕舞い、iPhoneとコンピューター、ノート、筆記用具などを予め入っているクリアーボックスへ移した。ロッカーの鍵を閉め、メインライブラリーへと向かった。中に入り先ず司書の人に検索の仕方を簡単に教えて貰った。私のIDカードを渡し、代わりに自分が使う本を閲覧するためのデスクの番号札を貰った。

英語で検索できると聞いていたが分からず、フランス語で辞書を引きながら検索を始めた。やはりフランス語のサイトは使い方が難しく、ものすごく苦労した。10冊分の必要と思われる情報を書いたリクエストカードを作り提出した。一番見たかったDürer の"rhinocéros"は、リファレンスルームで火曜日と木曜日の午前中のみしか観覧出来ない、とあった。その頃には午後1時を過ぎていたので諦めるしかなかった。Dürer のエッチング画集が1冊だけ閲覧可能、と言われた。司書の女性が「これはリクエストしておいてあげるから、引き続き検索していいわよ。」と言ってくれたので、またコンピューターへ戻った。今度はリクエストカードを5枚作り提出した。次はValetine HugoというVictor Hugoのひ孫の配偶者だった女性とその親族の作品集はある、と言われたのでリクエストしてもらった。Dürer は1時間後、もう一つは15分後にあなたのデスクに届くから待っていなさい。」と言われたので、再入場の際に必要になるIDカードを返して貰い図書室を出た。休憩室で持参したサンドウィッチとお茶を飲みながらNさんと少しだけチャットをした。Nさんに「本をリクエスト出来るまで1時間半かかった。」と言ったら、「フランス人でも苦労するシステムだから、それだけ時間がかかってもおかしくない。」と言われた。

荷物をロッカーへ戻してから、自分の席へと向かった。するとものすごく大きな本らしきものが閲覧用のデスクに置いてあった。想像を遥かに超える大きさだったのでビックリしてしまった。

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スケールが分かりやすいように、ペンケースを並べてみた。搬入・搬出に時間がかかるはずだ、と合点がいった。そのまま平坦なところへ置き、画集を見始めた。すると閲覧コーナー担当の司書の男性が来て「こちらのクッションがあるところで読んでください。」と移動を促されたので、それに従った。

Valentine Hugoの作品は、シュールレアリズムどっぷりの乙女チックな作風の作品が多い。恐らく刷り師の手によるものだと思われるが印刷は丁寧にされていた。

詩人による、ランボー賛美の詩とコラボした作品があった。

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持参した虫眼鏡を使って鑑賞していたら、私にとって今日の目玉であるDürer のエッチング画集が届いた。こちらはもっと大きかった。

この本が出版されたのは1515年である。約500年前の本なんだ、と思うと手が震えた。

 

 

 

 

 

荷造りは進まず

絶対に入らないであろう荷物に囲まれている。

お正月に3人がこちらへ戻る際、スーツケースを一つしか持ってこなかった。「きっと荷物が増えるから、持って行ったほうがいい。」と前夫に言ったのだが、「不要な物を持っていく、それは自分のスタイルじゃない。要り用なら段ボール箱を現地で調達する、それがスマートな方法だ。」と言って持っていかなかった。

案の定である。自分は手提げ鞄ひとつで足りるため、瑞麗さんのために箱を調達する気はさらさらなく、スーツケースに入らない分は捨てて行くように、と瑞麗さんに言い渡した。これから全部詰めるように頑張るけれど、入らなければ送るように交渉するつもりである。前夫と家族でどこかへ行く度に何かやらかしてこられたので、良い思い出がない。今回もこれが最後だから、と自分に言い聞かせながらやっている。

 

Mさんが御所の桜の木の様子を写真に撮り送ってくれた。満開までには余裕で間に合いそうで嬉しい。明日は国立図書館エッチングのリサーチをする。瑞麗さんの荷造りとリサーチのための下調べがまだ終わっていないのだけど、もう眠くて仕方がないので一旦眠ろうと思う。

 

On a clear day

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瑞麗さん登校最後の日である。今日は昨日に引き続き快晴で気持ちの良い朝だった。

瑞麗さんを学校へ送り、Pan perduの美味しいお店へ行ったら幸運な事に出来立てが沢山積まれていた。Boulangerieを出た後帰宅した。

 

荷造りに明け暮れてあっという間に夕方になったので、瑞麗さんを迎えに行った。瑞麗さんは学校から出てきても友達と別れを惜しんでいた。

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その後、彼女の念願の靴を買いに行った。とても幸せそうだった。

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 夕食後、瑞麗さんは友達からもらったお餞別を広げ、手紙を一生懸命読んでいた。「不本意でパリに来てしまったけれど、あのままロンドンに残らなくて本当に良かったと思う。」としみじみ話してくれた。

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けんかをしていたMちゃんとも仲直りをしてBest Friend'sのネックレスと、心のこもった手紙をくれた。それとは反対に、最近まで仲がとても良かったVちゃんは、誤解が元で大げんかをした。昨日、頭に血が上った彼女は瑞麗さんに "Up Yours" をして二人の仲違いは決定的となり、今日も言葉をかわすことはなかったらしい。彼女はフランスに生まれ育ったから、友人に中指をflip offする事の重大さは分かっていないのだろう。「自分は最善を尽くしたけれどダメだった。最後にこうなってしまって残念だけど仕方がない。」と瑞麗さんは言っていた。

明日は朝空港へ行く前に瑞麗さんは学校の前まで行き、もう一度お別れを言う事にしている。

Jardin de Monet à Giverny

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昨日から夏時間が始まり、一時間早まったので寝坊をした。

朝10時半には到着した。とても美味しくないカフェオーレを飲んでから庭園へ入った。

先にモネが移住してくる前に作った庭を見学した。開園に当たって、花をつけている植物を全面に植えた、という印象を受けた。次に専用の通路を通り、睡蓮がある後に作られた方の庭へ向かった。

 

思っていたよりもこじんまりとしていた。庭の作りのせいか、歩き回っているうちに日本の庭園にいるような印象を持ち始めた。睡蓮の季節には早すぎて、芽すらも出ていなかった。それでも柳や木々の新緑が水面に映る様子は綺麗だった。

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アトリエは新しくペイントされ、お土産売り場になっていた。写真に残されている、当時の様子を思い浮かべようとしたけれどできなかった。

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自宅に沢山飾られていた浮世絵が一番印象的だった。黄色いダイニングルームの壁にもいくつも掛けられていた。

街は施設が集中している所は観光地の風情だったけれど、丘を上ると閑静な道が続き、大きな邸宅が並んでいた。

 

庭園を出て、モネのお墓がある教会へ向かった。とても見晴らしの良い丘の上にあった。裕福な家が多いせいか、趣向凝らした趣味の良い墓標が置かれていた。モネと彼の家族のお墓も綺麗に手入れされていた。

教会のドアが開いていたので、中に入らせてもらった。首がない聖人の像がいくつかそのまま置かれていた。鳥が中に迷い込み天井を飛び回っていた。

その後、ゴッホが最後に暮らした町へと向かった。

Auvers-sur-Oise

こちらの町はモネの庭園のある町よりも小さく、中流階級の人が住む町という印象だった。まずやはり丘の上の教会にあるゴッホと彼の弟のお墓を訪れた。墓地の奥の方に小さな墓石が2つ並び、その上は蔦で覆われていた。ゴッホをサポートしていた、そして最後を看取った医師が、蔦を植えたそうである。弟はゴッホが亡くなった明くる年に亡くなっているが、墓は別のところになった。彼らの死から40年後に、弟の棺を掘り出し、ゴッホの傍へと移した、との事だった。

 

ゴッホが下宿していたカフェはレストランとして経営されている。中を覗いてみたら雰囲気の良い場所だった。2階にある彼が使っていた部屋はそのまま残していて、見学者を随時入れているみたいだった。

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最後にまた教会へ戻った。中には結構人がいて、ゆっくり教会内を歩きながら観賞していた。滞在中、ずっとバルプオルガンが鳴り響いていた。「ここは光の入り方が特別なのです。」とそこで三脚を使って写真撮影をしていた女性が言っていた。確かに暖かい光がステンドグラスを通して降り注いでいるような気がした。

 

 

Subdued in white (記事を少し更新しました)

Musée Marmottan Monet

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漸く来る事ができた。

モネの世界最大作品コレクションが収められている美術館である。Orangerieの睡蓮に陶然していて、ずっと興味がなかった。今回はピサロの作品が特別展として展示されている、と地下鉄内の広告で知ったので決心して訪れる事にした。

 

入館してからすぐピサロの展示室へ入った。彼の作品で印象に残っているのは、晩年近くに描かれたパリのオペラ座前の広場の風景画ぐらいだった。印象派を代表する画家なのに、なぜかあまり代表作が思い浮かばないのだが、彼は8回開催された印象派の展覧会の全てに作品を出品した唯一の作家だそうである。

素描画などはなく、油絵ばかりだったが、ところどころに麻のキャンバスではなく、ロートレックのようにカードボードに描かれた絵も展示されていた。

私が惹かれたのはロンドン滞在中に描かれたという、海辺の風景だった。白を基調に描かれていて、ボートが岸辺に繋げられ、右手の遠くにある工場から伸びる細い煙突からは煙が出ているさざ波が静かに立ち、穏やかな朝の光に染まっている。

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Yちゃん京都に到着する

Yちゃんが私の家に着いた。

先週末、私の母と妹がゴミを片し、軽く掃除機をかけてくれたので助かった。彼女は明日から不動産会社巡りをするらしい。私が到着する31日は、もしかしたら実家、若しくは東京にいるかもしれない、と言っていた。

瑞麗さんが桜を見られるか心配していた。クラスの誰かに、瑞麗が着く頃にはもう花は散っているよ、と適当な事を言われたらしい。落ち込んでいたので、桜の開花情報を見せたらホッとしていた。

後30分位したらMontparnasseへ行く。明日は夜がすっかり明けるまで居ようと思っている。