瑞麗さんを送ってからすぐにアトリエへ向かった。
到着したのは１０時４０分だった。そこには先生ともうひとりいた。結局今日は２人だけということになった。午前中は風景画の練習をした。人物画だけする、と聞いていたので、驚きながら描いた。もう一人の女の子はイタリア人だがフランス語はかなり出来た。しかし私が駄目なので、先生は授業の半分以上英語で進めてくれた。
昼休みはイタリア人の女の子とそれぞれ持ってきたサンドウィッチを食べた。そしてカフェでコーヒーを飲んだ。彼女は１９歳で高校を卒業したばかりらしい。医学部を目指していて、本格的に勉強する前のバカンスとしてパリに４日前に来たとのこと。英語はほぼ完璧だし、フランス語もかなり上手だった。他にラテン語と古来ギリシャ語をかなり真剣に勉強したらしい。さすがヨーロッパ人、と感心した。私のために英語で授業が進められて申し訳ない、と彼女に謝った。
アトリエに戻るともう一人男性がいた。誰だろう、と思っていたらモデルさんだった。昼からは本格的にペンシルとチャコールを使ってモデルを描いた。５時までの授業のところ、３時過ぎで後ろ髪を引かれながらアトリエを出た。もう一人のクラスメイトにはフランス語で授業が進められるし、ワンツーマンで指導が受けられるのでその方が良かったと思う。
マニエリスムのデッサンの手法は初めてだった。講義はとても興味深かった。１２年以上やっていなかったので、手間取ったが、楽しくて、楽しくて仕方が無かった。描ける時間は限られているけれど、精一杯がんばろうと思う。
