学生の頃、エッチングの作品が「ポール・クレーと似ている」「ポール・クレーが絶対好きでしょう」と言われていた。それを聞いてあまり嬉しく思わなかった。
大学院生の時、ある先生のクラスを取った。先生の授業が面白くていつも楽しみだった。学科の履修が終わっても、先生に作品を見せに行き、意見を伺う様になった。先生は私の作品がポール・クレーに似ているだとか、影響を受けているとか言わなかった。サンフランシスコ近代美術館が膨大なポール・クレーのコレクションを持っており、ポール・クレーの部屋というコーナーを設けていて、そこに観に行くと良いよ、と教えてくれた。
そこへ行くうちになんて凄いんだろう、と思う様になった。彼の真似をするなんてとても出来ない。
最近好きなポール・クレーの作品は"Golden Fish"である。深い蒼い海に透き通る様に黄金に光り輝く魚が描かれている。
昨日、クラフトのクラスをリードした。２０人の小学生、それも殆どが6歳の子ども達に３０分以内に完成させなければいけないので、暫く考えて花を作って貰う事にした。１０色、１１枚の６cm四方に切った色画用紙を渡した。
最低３個の花を３枚違う色を重ねて作る様に言った。
プロセスも念入りに考えた。時間内にみんな終わらせてくれたので安堵した。下書きをしたい、と言った子どももいたけれど、直に紙を切って欲しい、と言った。面白い事をしている子もいて見ていて楽しかった。殆どの子ども達にとって、今回が初めてのクラフトなので、大切そうにバッグに入れて持ち帰ってくれたのが嬉しかった。
