lulu_batailleの日記

日々起こった事、思った事を記していきます。

苔を散りばめる

夕方、庭師さんが家に立ち寄り、庭の端の空間に置く石のブロックを持参し設置した。そして家の庭から株分けしていたレモングラスをご自宅の庭から持ってきて植えてくれた。これで猫避けになると思われる。
「敷き詰めた石の上に苔を散らばせましたよね。」と訊ねた。昨日庭の様子を見ていた時に、細かな苔が石の上に散らばっているのを見つけたのである。綺麗にした時に余った苔を適当に撒かれたらしい。これで水をまめにやれば定着することもある、と言われた。

 

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庭師さんがレモングラスを鉢から庭の一角へ植え替えながら、苔寺について書かれた文献について話してくれた。苔寺の成り立ちは8世紀まで遡ると言われているらしく、一旦荒廃したものを14世紀に禅寺として再興された。その後応仁の乱で焼失したり、洪水の被害にあったり災難に見舞われている。庭園は夢窓疎石による作庭で、苔で覆われ始めたのは江戸時代に入ってから、又はもっと以前から、とか諸説あるらしい。

庭師さんは、とにかく苔ばかりクローズアップされるけれど、上段にあった枯山水の名残と下段の池泉回遊式庭園の素晴らしさは、あまり知られていない、とおっしゃっていた。上部には巨大な石が沢山積み上げられているのだが、あれは古墳作りで余っていたものを持ち込んだそうである。京都に古墳があるのですか、と驚いて聞いたら、堺にあるような大きなものではないが、小さい規模のものは現存するとのこと。そこから和歌から読み取る日本の庭の概念と芸術の話になった。

その話はまた次にします。

庭の石の窪みに苔を散りばめて行くのを今年の夏の課題にするつもりである。