こちらはベルリン最大級の蚤の市らしい。高級なものは売っておらず、どちらかというとクラフトが多かった。お父さんの方は一人で廻り、私は娘のマリアさんと廻った。モスクワで大学を出たばかりの彼女は英語がめちゃくちゃ上手だった。２週間前にこちらへ家族で移って来たらしい。お父さんはギリシャ国籍を持つお医者さんで、こちらで暮らすには問題がないとのこと。ロシアは経済的に非常に不安定なため、技術を持つ人たちは移住を決断しているらしい。お母さんはグラフィックデザイナー、彼女はフイルム制作のプロダクションに関わっている、と言っていた。弟２人はまだ小学生だと言う事だった。
私は何も買わずにナタリアさんの家へ向かった。
